商品説明
【会津塗の歴史】
会津の塗物が産地として形成されたのは16世紀後半で、以来、芦名氏、蒲生氏をはじめ歴史の領主の奨励と保護のもとに地場産業として発展してきました。しかし、江戸時代終わりに勃発した戊辰戦争により会津とその漆器産業は壊滅的な打撃を受けました。
明治時代に入り、産業の力を結集することで漆器産業を立て直すことができ、会津の再建を果たしました。明治時代中頃までには、会津は最も有名な漆器産地のひとつとなり、今も、会津塗は400年以上にわたり伝統と革新を続け、工芸品と産業の統合を図りながら成長し続けます。
【四季花鳥図巻】
酒井抱一筆 江戸時代・文化15年(1818)
福寿草から群青の流水が添えられた燕子花までの春夏巻と月下の萩に始まり雪降り積もる白梅に終わる秋冬巻の2巻で構成された花鳥図巻。光琳の四季花鳥図を参考にしとものと思われるが、四条派の花鳥図の影響もうかがえる。
草花の観察による写生的表現が加味され、鳥の他に蜂や蟷螂などの昆虫も描き添えられている。春の野の雉子や銀色の満月を受けて咲く萩の下の鈴虫など、花に添えられた鳥や虫は文学的な詩情を誘い、「たらし込み」を効果的に用いた豊麗な色彩と相まって抱一の特徴である軽快さと叙情性が示されている。酒井抱一は尾形光琳に私淑し、江戸琳派として知られる瀟洒で装飾的な画風を確立した。
この作品をモチーフに会津塗の絵師の手によって手描きで盃上に描き出された抱一の世界。
お酒を楽しむもよし、飾るもよし。
伝統工芸とトーハクの名品がコラボレイトした貴重な商品です。